高齢化と共に増々需要が高まっている介護職ですが、待遇面の改善がなかなか進まず、現場の不満が大きくなっているという事実があります。その中でも注目されているのが、給与に対して仕事がハードだという問題です。実際介護の仕事はかなり体力を使う仕事でもあり、一日中働いた後の肉体疲労は相当なものだと言われています。

　特に利用者を車いすやベッドに移乗させたり、転倒を防ぐために抱えたりする時の腰への負担は大きく、慢性的な腰痛から坐骨神経痛や度重なるぎっくり腰に悩まされている人も少なくないそうです。こうした過酷な労働に体調を崩してしまったり、仕事の過酷さと給料のバランスが合っていないと感じて退職する人は増えています。また、現場スタッフの退職が続くと、残されたスタッフへの負担がさらに大きくなってしまうという悪循環も見られます。このように慢性的な人手不足が続いた結果、利用者に提供するサービスの質の低下や現場スタッフに余裕が無くなり、利用者とのコミュニケーション不足やスタッフ同士の信頼関係が構築でないといったことが起こり、トラブルにつながっています。

　しかしその一方で、このような負の連鎖を断ち切るために努力をしている現場もあります。介護現場の中には、責任者である施設長が現場スタッフの人間関係が良好になる様に努め、働きやすい職場環境を維持しているところも少なくありません。このような現場では離職率も低下し、スタッフ一人一人に余裕が生まれてくるのではないでしょうか。こうした地道な努力は、利用者へ提供するサービスの質の向上につながったり、トラブルが起きにくい現場になるので、介護業界への転職を考える際には職場選びを慎重に行いましょう。